土佐丸日記


見たか驚異のキャッチボール投法

甲子園大会2日目。
いよいよ試合だ!土佐丸高校は北見連峰商業と対戦する。
がんばって応援するぞぉ〜。がんばって試合の様子をリポートするぞぉ〜。
どうせキャプテンたちはまたランニングで甲子園球場まで行くんだろうからと、あたしは今日も一足先に芦田旅館を出ようとした。
そうしたら、キャプテンがあたしにベンチに入れっていうの!びっくり!
いくらマネージャーでも女子はベンチに入れないって聞いていたのにね。でも、明訓高校だってサチ子ちゃんを野球部長待遇で登録してあるそうだし、かまわないのかな?あたしだって一応「土佐丸高校野球部長」なんだし。
でも、キャプテンはあたしに抽選会のときの格好でベンチ入りしろというの。え〜?またあの学生服を着るのぉ?
しょうがないのであたしは急いで部屋に戻って着替えた。
その間に玄関で一悶着あったみたいだ。
番頭さんに後から聞いたのだけど。明訓の里中投手がうちのキャプテンにタオルを貸してくれようとしたんですって。なんでも、これを持ってベンチ入りすると勝ってきた縁起のいいタオルなのだとか。そのタオルでキャプテンったら靴を磨いて返したらしい。その場にいた明訓のキャプテン土井垣さんが「失礼じゃないか!」って怒ったそうだ。そりゃ怒るわ。向こうは親切でしたことなのに。でもね。でもね。いくら自分たちが昨日勝って1回戦を突破したからってね。これみよがしにそんなことされたちょっとカチンとくるわよね。ってあたしはその話を聞いたときに思ったのだ。これって身贔屓なのかな?

試合開始。うちは後攻めだ。土佐丸の選手がグラウンドに散った。
あたしはベンチの中で、なるべく外から見えない位置をキープして上着を脱いだ。こんな暑いところで冬服なんか着てられないよ。
キャプテンがボールを投げた。
へ?何これ?
どんなにすごい球を投げるのかと思ったら、ただのスローボール。それも超スローボール。はっきり言ってキャッチボールの球だ。あたしにだって打てそう(でも実際に打席に立ったら打てないんだろうな、とは思うけど)。北見のトップバッターが「まだ投球練習終わっていないんですか?」と聞いたくらいだ。その間にボールは鬼島先輩のミットに入ってストライクになっていた。騙された!とバッターは怒っている。
そ、そんなセコイ手を使うわけ?(^^;;)
試合をしているのを見るのは初めてなんだけど、うちのチームってもしかして弱いの?やたらと点を入れられているんだけど・・・。キャプテンの投球はずーっとキャッチボールだし。でも点を入れられたらすぐに取り返すところがなんともえげつないというか。こんなシーソーゲーム、関係なく見ているだけだったら面白いだろうけど、関係者にとったら心臓に悪いわ。
結局うちが11対10でサヨナラ勝ち。
かろうじて勝った。あー疲れた。試合にでているわけでも、応援で声を出していたわけでもないのに、なんかぐったりしてしまった。
この先、こんな試合が続いたら、あたし身がもたないわ・・・。


次回予告
いぬこ: 土佐丸高校のみなさーん!うちのチームは順調に・・・とはいえないけど、かろうじて勝ち進んでいますよぉ〜
武蔵: 誰に向かってしゃべっとるんじゃ?
いぬこ: あら久しぶりね、犬飼君。ちゃんとTVの前で応援している?
武蔵: あんちゃん達が勝つのは当たり前じゃき、安心して練習に励んじょる。
いぬこ: ・・・結構あぶなっかしいわよ。
でもいよいよ準決勝です。相手は同宿の明訓高校!
小次郎: 梶田。武蔵を呼んでおけ。
梶田: 10人目の選手ですね。土佐丸野球の始まりだ。
いぬこ: え?何?土佐丸野球って。これまでの試合はカモフラージュだったってこと?
武蔵: 楽しみにしているといいぜよ。
いぬこ: なんだかあたしの知らないところでいろいろとたくらんでいるみたい。準決勝はさらに心臓に悪い試合になるかもね。

次回の「土佐丸日記」は「準決勝!土佐丸野球の始まり

相手はあの明訓ですもの。何かが起こりそう・・・。

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