土佐丸日記


夏の甲子園!堂々の入場行進

いよいよ甲子園大会が始まる!
今日は開会式だ。
昨晩は興奮して寝付かれなかったのだけど、寝坊することもなく朝早く目が覚めた。
すがすがしい朝。
すずめがチュンチュク鳴いている。平和だな〜。
今日はうちの試合はないからのんびりしているけれど、同宿の明訓高校は開会式後の第一試合だ。きっと緊張しているんだろうな。
ご飯を食べるのは2校一緒に大食堂でだから、何か揉め事を起こさないといいんだけど。
うちの選手はもちろんのこと、明訓高校にも結構喧嘩っ早い人がいるみたいだし。
あたしはみんなよりも早くご飯を食べて、一足先に芦田旅館を出た。
開会式のみんなの晴れ姿をしっかり見てあげないとね。そして、しっかり報告しないと。
そうなのだ。
あたしの甲子園でのもうひとつの使命とは、この「特派員リポート」だったのだ!
まぁ、簡単に言ってしまうと、放送部の予算がなくて部員を派遣できないから私にやってくれないかと頼まれただけなんだけどね。同じクラスの数少ない女子であるヨーコちゃんの頼みとあっては断れない。もと放送部の面目だってあるしね。
あたしは放送部からポータブルカセットレコーダーとマイクを借りて来ていた。
うちの選手たちの勇姿をしっかり報告しなきゃ。

開会式が始まった。選手入場だ。全国からいろいろな選手たちが集まってきている。みんなすごいな〜。同じ高校生とは思えないような老けた選手もいる。いや、高校生には見えない、という点ではうちの先輩たちも負けちゃいないんだけどさ(ポリポリ)。
あっでてきた!
犬飼キャプテンを先頭にたった9人の行進。ラジオの中継でもアナウンサーが「ひとりでも怪我をしたらどうするのでしょうか?」などと言っている。すっかり「得体の知れないチーム」というイメージがついてしまったようだ。いやだなぁ・・・。
先輩たちはあがっている様子もなく、普通にザクザクと歩いている。そのユニフォームを見てあたしはしまった、と思った。きったないのだ。高知から歩いてきたんだから当然なんだけど。でも、開会式用に新しいのをとっておけばよかったのに。せめて昨日洗濯しておけば・・・。それでなくても顔では負けているんだから、せめてユニフォームくらいパリッとしたのを着せてあげるべきだった。マネージャーとしての反省点だ。
まぁいいや。もう遅いもんね。
ユニフォームは汚くとも、堂々と歩いているから良しとしよう。少なくとも犬飼キャプテンは凛々しいわ(はあと)

あの明訓高校が入場してきたとき、ハプニングがあった。
突然小さな女の子の声で「山田太郎!おにいちゃん、がんばれ〜」と球場全体に響き渡ったのだ。え?と壇上を見ると、明訓高校の選手、山田太郎くんの妹さん、サチ子ちゃんっていったかな?がマイクを持って叫んでいる。おお〜いい度胸だ。
スタンドの観衆は大爆笑。サチ子ちゃんは「ごめんなさい」といいながら行進し終わって整列している選手たちの間をぬって逃げ回っていた。
山田太郎くんは心持ち顔を伏せて歩いているようだ。あはは。かわいい妹さん。サッちゃんは芦田旅館に一緒に泊まっている。あれでも明訓高校の応援団長なんだって。かわいい応援団だわね。うちの応援団とえらい違い。
さぁ、いよいよ始まりだ。


なるとメモ

甲子園大会開会式です。
その朝。土佐丸高校・明訓高校が揃って朝ご飯を食べています。でも、小次郎の姿はありません。そういえば徳川監督の姿もありませんね。まさか二日酔いで朝ご飯抜きってことはないだろうと思うのですが・・・(可能性はあるかも)。
みんながご飯を食べている間、小次郎は嵐の闘犬としての訓練をしています。すでに食事を済ませてあったのでしょうか?それとも朝食は抜きでしょうか?土佐丸高校側のテーブルに空席がありましたが、食べ終わった食器などはありませんでした。片づけたあとか?それとも食べないと断っておいたので最初から用意されていなかったのか?(その席は明訓高校でいえばサチ子が座っている位置です)。まさか前夜徳川さんにお酒をつきあわされて、小次郎も二日酔いだったとか?で、お酒を抜くために嵐の訓練をして汗をかいていたとか?つい妄想してしまいます。
食事も終わり、2校とも甲子園球場に向かいます。明訓高校は芦田旅館のバスに乗っていきましたが、土佐丸高校はランニングで行きます。明訓がバスで行くくらいだから旅館からは結構な距離があるのだろうと思いますが、その距離を走るのね・・・。さすがです。でも、さきほどの妄想の続きでいうと、小次郎は昨日の酒を抜くために運動して汗をかこうとしているのかも。(つきあわされる他の選手が気の毒)


次回予告
いぬこ: お疲れさまでした〜。
小次郎: 何だ。まだいたのか。
いぬこ: でへへへ(笑ってごまかそう)。
戸浦先輩!見ちゃいましたよ。入場行進の時、右手と右足を同時に出したでしょ。すぐに直してたけど。
戸浦: (ぎくっ)見てたのか・・・(汗)いや〜ちょっと緊張してよぉ。
小次郎: 本当か?戸浦。
戸浦: (しまった)いや、あの、そのぉ・・・。
小次郎: なんてざまだ。土佐丸の恥だぞ。
戸浦: すみません!キャプテン!
小次郎: 土佐丸に不器用な男は不要だ。
いぬこ: キャプテン!そんな、選手登録から戸浦先輩を抹消してどうするんですかぁ?試合は明日ですよ!

次回の「土佐丸日記」は「アッパースゥイングの謎」でーす!
岩鬼: こらぁ〜!なんでわいの「始球式ホームラン」をとばすんや!
いぬこ: ・・・だってあんな恥ずかしい。土佐丸には関係ないからいいけど。
そんなことより、キャプテン!キャプテーン!(追いかけていく)

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